4月から新年度を迎え、みなさんお忙しい事と思います。私もです(笑)
さて、今回は昨年新しく出来た総合訓練塔と、今月から本格運用が始まった危機管理センターについてご紹介します。
まずは大幅に掲載が遅れてしまった総合訓練塔から。
平成23年6月に完成した総合訓練塔。
規模は鉄筋コンクリート造4階建、延べ約960平方メートルという結構大きな建物です。
内部は壁や床、天井、扉、窓、配管も含めすべて黒一色に塗装されており、実際の火災現場の様な煙が充満した様子、
燃えて黒く焦げている様な様子を再現してあります。
窓や扉は遮光構造となっており、すべてを閉めて電気を消せば完全な暗闇を作り出せます。
また、本物の火をおこすことは出来ないものの、多数のスモークマシーンから人工的な煙を出して、
実際の火災現場に近い状況を作り出すことが可能なうえ、燃焼音や爆発音等を発生させる音響設備も設置されています。
ちなみに水もCAFSもどちらも使える構造で、訓練塔内で放水した水は地下の防火水槽へ還流され、
また次の訓練でその水を使うというエコな構造になっています。
では、まずは4階建ての内の1階と2階。
御覧の通り黒一色で、ここは工場や倉庫、船舶などを想定した吹き抜けの空間となっています。
2階に当たる部分にはキャットウォークがあり、船の欄干部分が再現されています。





続く3階はマンションなどの共同住宅を再現した空間。
建物西側に面した廊下と、4つの個室(住居)からなる空間で、まさにマンションやアパートの様な空間です。
各部屋への鉄扉はエンジンカッターによる切断が可能で、実践に近い訓練が出来ます。
また部屋の中はコンパネ製の簡易間仕切りでレイアウト自由に変更することができ、様々な想定を再現出来るだけでなく、
何度も訓練している間に室内構造を覚えてしまう事を防げる様にもなっています。
ちなみに玄関扉のいわゆるチェーンロックも、チェーンタイプの部屋とバーロックタイプの部屋があるこだわり様。



最上階の4階は、カラオケ店やネカフェなどの個室がたくさんある施設を再現した空間。
フロア中央部に通路があり、それを挟むように左右に個室が配置されています。
しかもそれぞれの個室の中にはさらに簡易間仕切りによって1~2畳程度の広さの個室がいくつも設置され、
本当に今自分がどこにいるのか全く分からない様な空間が作り出されています。
カラオケ店などで火災が起きた場合、行った事のない店の全個室を検索するとなると、いかに大変かがよく分かります。



ほかにも各階には消火用の送水管、屋内消火栓、スプリンクラー等実際の消火設備が配置されていると共に、
1階には防火管理者等が詰める防災センターと言う部屋も再現されており、火災報知機の受信盤や、
実際に避難誘導の案内放送を流す訓練等が行えるようになっています。


最後は屋外。
総合訓練等を屋外からみると、実際のマンションの様にバルコニーが設置されているのが分かります。
ここには実際と同じように破壊板や避難はしごが設置されており、市民研修にも使用することが出来ます。
そして1、2階の吹き抜けフロアの入口には水圧開放シャッターがあり、連結送水管や無線機接続端子も設置されています。




そして最後に、忘れてはならないのがこのレリーフ。
これは平成21年6月1日(月)に神戸市東灘区、(株)三輪北工場火災現場で発生した速水消防司令の殉職事故を受け作られた物です。
レリーフだけでなく、この総合訓練塔自体も事故の教訓から様々な訓練が出来るようにと作られたものでもあります。
このレリーフの制作者である宮村浩樹さんは、本来空気に触れない様に表面処理をする必要がある銅板レリーフを
あえて表面処理をせず、ガラスシールドで覆って空気穴をあけるという方法に拘られました。
それは火災現場で炎と煙の中、息苦しい思いの中亡くなられた速水さんに、これ以上苦しい思いをしてほしくないという、
宮村さんの思いからだそうです。
・・・以下、宮村浩樹さんのブログから引用・・・
私がこの銅板を生かした理由(表面処理をせずに風化もさせない事に拘った)
火災現場で大量の煙と炎の中で息苦しい、速水さんをもうこれ以上・・・
ガラスシールドで銅板を保護し、空気穴も設けて頂き、銅板に息をしてもらう。
それが季節によって、気温によって、銅板の中の速水さんの表情が変わる。
このような災害が2度と起こらないように訓練をされる隊員の皆様を
ここで見守って頂けるよう、息をして頂く、これが今回の私の拘りです。
・・・ここまで・・・



以上で総合訓練塔の紹介はおしまいです。
予定より大幅に紹介が遅れましたこと、お詫び申し上げます。
さて、本来なら別記事で書いてもいいのですが、また次の更新が遅くならないとも限らないので少しだけ。
神戸市消防局が4月から運用を開始した危機管理センターと消防管制室のお話を。
詳しくは改めてもう一度管制室の見学に行ってからご紹介したいと思います。
このたび危機管理センターが完成してから初めて危機管理センターに行ってまいりました。
消防管制室も見学させていただきましたが、写真撮影禁止との事で写真はありません。
しかーし、新管制室の載っているパンフレットと映像を発見したのでご紹介します。
「消防新管制システム(愛称:ALT-FACE(オルト・フェイス))
消防管制室パンプレット (PFDファイル)
動画で紹介!「神戸市危機管理センター」
↑前半に消防管制室の紹介と、最後の9分50秒あたりにチラッと新消防管制室が映っています。
なかなかにカッコいい管制室で驚きました。しかし日立・・・なんでもないです(苦笑)
そして危機管理センターのパンフレットと共に、総合訓練塔のパンフレットも頂いて参りました。
最近出来たばかりの訓練塔のパンフレット、やたらと気合が入ってますね、めちゃめちゃカッコいいです。
担当者が変わったのかなんなのか、神戸市もビジュアルを意識した広報活動に目を向け始めてくれた様です。
この調子で東京消防の様なパンフレットやホームページを作ってくれれば、市民としては最高ですね。
え?中身が見たいって?うーん、公的機関の広報印刷物だから載せても大丈夫だとは思うけど・・・念のため。
6ページだけの薄いパンフレットですが、前頁フルカラーでカッコいいですよ!w
ほしい方は神戸市民防災総合センターや、最寄りの神戸市の消防署に行けば貰えるのではないかと思います。
さて、次回は23年度更新車両を画像付でまとめてご紹介できればと思っておりますので、お楽しみに。

さて、今回は昨年新しく出来た総合訓練塔と、今月から本格運用が始まった危機管理センターについてご紹介します。
まずは大幅に掲載が遅れてしまった総合訓練塔から。
平成23年6月に完成した総合訓練塔。
規模は鉄筋コンクリート造4階建、延べ約960平方メートルという結構大きな建物です。
内部は壁や床、天井、扉、窓、配管も含めすべて黒一色に塗装されており、実際の火災現場の様な煙が充満した様子、
燃えて黒く焦げている様な様子を再現してあります。
窓や扉は遮光構造となっており、すべてを閉めて電気を消せば完全な暗闇を作り出せます。
また、本物の火をおこすことは出来ないものの、多数のスモークマシーンから人工的な煙を出して、
実際の火災現場に近い状況を作り出すことが可能なうえ、燃焼音や爆発音等を発生させる音響設備も設置されています。
ちなみに水もCAFSもどちらも使える構造で、訓練塔内で放水した水は地下の防火水槽へ還流され、
また次の訓練でその水を使うというエコな構造になっています。
では、まずは4階建ての内の1階と2階。
御覧の通り黒一色で、ここは工場や倉庫、船舶などを想定した吹き抜けの空間となっています。
2階に当たる部分にはキャットウォークがあり、船の欄干部分が再現されています。





続く3階はマンションなどの共同住宅を再現した空間。
建物西側に面した廊下と、4つの個室(住居)からなる空間で、まさにマンションやアパートの様な空間です。
各部屋への鉄扉はエンジンカッターによる切断が可能で、実践に近い訓練が出来ます。
また部屋の中はコンパネ製の簡易間仕切りでレイアウト自由に変更することができ、様々な想定を再現出来るだけでなく、
何度も訓練している間に室内構造を覚えてしまう事を防げる様にもなっています。
ちなみに玄関扉のいわゆるチェーンロックも、チェーンタイプの部屋とバーロックタイプの部屋があるこだわり様。



最上階の4階は、カラオケ店やネカフェなどの個室がたくさんある施設を再現した空間。
フロア中央部に通路があり、それを挟むように左右に個室が配置されています。
しかもそれぞれの個室の中にはさらに簡易間仕切りによって1~2畳程度の広さの個室がいくつも設置され、
本当に今自分がどこにいるのか全く分からない様な空間が作り出されています。
カラオケ店などで火災が起きた場合、行った事のない店の全個室を検索するとなると、いかに大変かがよく分かります。



ほかにも各階には消火用の送水管、屋内消火栓、スプリンクラー等実際の消火設備が配置されていると共に、
1階には防火管理者等が詰める防災センターと言う部屋も再現されており、火災報知機の受信盤や、
実際に避難誘導の案内放送を流す訓練等が行えるようになっています。


最後は屋外。
総合訓練等を屋外からみると、実際のマンションの様にバルコニーが設置されているのが分かります。
ここには実際と同じように破壊板や避難はしごが設置されており、市民研修にも使用することが出来ます。
そして1、2階の吹き抜けフロアの入口には水圧開放シャッターがあり、連結送水管や無線機接続端子も設置されています。




そして最後に、忘れてはならないのがこのレリーフ。
これは平成21年6月1日(月)に神戸市東灘区、(株)三輪北工場火災現場で発生した速水消防司令の殉職事故を受け作られた物です。
レリーフだけでなく、この総合訓練塔自体も事故の教訓から様々な訓練が出来るようにと作られたものでもあります。
このレリーフの制作者である宮村浩樹さんは、本来空気に触れない様に表面処理をする必要がある銅板レリーフを
あえて表面処理をせず、ガラスシールドで覆って空気穴をあけるという方法に拘られました。
それは火災現場で炎と煙の中、息苦しい思いの中亡くなられた速水さんに、これ以上苦しい思いをしてほしくないという、
宮村さんの思いからだそうです。
・・・以下、宮村浩樹さんのブログから引用・・・
私がこの銅板を生かした理由(表面処理をせずに風化もさせない事に拘った)
火災現場で大量の煙と炎の中で息苦しい、速水さんをもうこれ以上・・・
ガラスシールドで銅板を保護し、空気穴も設けて頂き、銅板に息をしてもらう。
それが季節によって、気温によって、銅板の中の速水さんの表情が変わる。
このような災害が2度と起こらないように訓練をされる隊員の皆様を
ここで見守って頂けるよう、息をして頂く、これが今回の私の拘りです。
・・・ここまで・・・



以上で総合訓練塔の紹介はおしまいです。
予定より大幅に紹介が遅れましたこと、お詫び申し上げます。
さて、本来なら別記事で書いてもいいのですが、また次の更新が遅くならないとも限らないので少しだけ。
神戸市消防局が4月から運用を開始した危機管理センターと消防管制室のお話を。
詳しくは改めてもう一度管制室の見学に行ってからご紹介したいと思います。
このたび危機管理センターが完成してから初めて危機管理センターに行ってまいりました。
消防管制室も見学させていただきましたが、写真撮影禁止との事で写真はありません。
しかーし、新管制室の載っているパンフレットと映像を発見したのでご紹介します。
「消防新管制システム(愛称:ALT-FACE(オルト・フェイス))
消防管制室パンプレット (PFDファイル)
動画で紹介!「神戸市危機管理センター」
↑前半に消防管制室の紹介と、最後の9分50秒あたりにチラッと新消防管制室が映っています。
なかなかにカッコいい管制室で驚きました。しかし日立・・・なんでもないです(苦笑)
そして危機管理センターのパンフレットと共に、総合訓練塔のパンフレットも頂いて参りました。
最近出来たばかりの訓練塔のパンフレット、やたらと気合が入ってますね、めちゃめちゃカッコいいです。
担当者が変わったのかなんなのか、神戸市もビジュアルを意識した広報活動に目を向け始めてくれた様です。
この調子で東京消防の様なパンフレットやホームページを作ってくれれば、市民としては最高ですね。
え?中身が見たいって?うーん、公的機関の広報印刷物だから載せても大丈夫だとは思うけど・・・念のため。
6ページだけの薄いパンフレットですが、前頁フルカラーでカッコいいですよ!w
ほしい方は神戸市民防災総合センターや、最寄りの神戸市の消防署に行けば貰えるのではないかと思います。
さて、次回は23年度更新車両を画像付でまとめてご紹介できればと思っておりますので、お楽しみに。

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